【整形外科】母指CM関節症とは??

 

今回は整形外科の疾患”母指CM関節症”に関して色々調べてみたいと思います。

 

何故この疾患をまずいちばん最初に選んだかについては訳ですが、、、

 

無能研修医ブタ男
母指とかCM関節とか聞いたこともないんすけど、どこの病気すか?

整形外科非専門医
確かに、見たことも聞いたこともないかもね!一緒に調べていこう!!(来週のカンファのために調べなきゃなんだよな〜はぁ)
カンファのために、自分のメモのごとく書きます。笑 読者に優しくないブログですみません。

Contents

母指CM関節症とは

まず、これはなんの病気かという事からですが、手の親指の付け根あたりの痛みが出る疾患です。
付け根といっても指というより手首に近い部分です。
 
雑な画像ですみませんが場所としてはここですね。
CM関節という名前の由来としては、carpometacarpal jointの略です。日本語では手根中手関節と訳され、親指(母指)では第1中手骨と手根骨(8個ある手根骨の中でも大菱形骨という手根骨)で形成された関節のことを指します。
日本整形外科学会のホームページやその他文献では以下のように紹介されております。

物をつまむ時やビンのふたを開ける時など母指(親指)に力を必要とする動作で、手首の母指の付け根付近に痛みが出ます。進行するとこの付近が膨らんできて母指が開きにくくなります。
また母指の指先の関節が曲がり、手前の関節が反った「白鳥の首」変形を呈してきます。

母指CM関節症は中高年の女性に好発する趣旨の変形性関節症で、Heberden結節とともに臨床上多く見られる疾患である。全身の関節弛緩症や職業因子が疾患の発言に関与すると指摘されている。
閉経後女性のX線で約25%にCM関節症が観察され、年齢とともにその頻度や変形の程度のが増大する。関節症が進行すると、CM関節の屈曲内転変形とMP関節の過伸展に伴う母指のジグザグ変形が生じる。

今日の整形外科治療指針 第7版

どんな症状??どうやったら分かるの??

どんな症状で出るのか?というところですが、発症初期は手のひらの親指側の膨れてる部分(母指球)付近のだるさや不安定感が出現します。
徐々に進行すると、母指基部が腫れてきたり、痛み・変形が出たりします。その症状が持続して、痛みが強くなって握力が落ちてきたり物をつまむ力が弱くなったりします。

無能研修医ブタ男
50-60代の専業主婦とか、手を使う女性に多いんすね。

整形外科非専門医
家事だったり、細かい作業で負担がかかりやすい部分だからなりやすいんだね。CM関節にかかる負担は指先にかかる力の12倍とも言われてるらしいよ。
✔ワンポイント
実際は家事や職種などの因子は発症リスクとはあまり関係がなく、高齢・女性という方がリスク因子としては高いそうです。
難しいことを言うと、女性のがCM関節の関節面の凹凸のかみ合わせが浅く、女性のが骨性支持がよわいみたいです。
ただ、もともとこの関節は大きな関節可動域を有するため、骨性支持に加えて靭帯が大事です。
上記に示すように、5つもの靭帯で靭帯性支持があるとのこと、一番安定性に寄与するのは最近ではDRLとの報告が多いそうです。DRLとPOLがdorsal ligament complexとして強靭な靭帯支持、橈背側への脱臼を制動するそうです。
また掌側側の靭帯ではAOL、厳密には浅い層と深い層に分かれているのですがその深い方の靭帯、deep anterior oblique ligament(dAOL)が中手骨の回旋運動のpivot pointとしての役割を果たしている靭帯で重要だそうです。
このような構造が破綻してきて、関節の不安定性、応力の集中が母指CM関節に負担がかかってきて症状をきたすわけです。
先程あげた症状があって、病院でレントゲン撮影を行って関節症性変化を認められれば診断に至るわけです。が、初期は画像では変化ないこともあり、その時は徒手検査で判断、診断となります。
有名な検査ではGrind testといってCM関節に圧をかけながら回旋運動して痛みを見る方法です。
最近の検査では母指内転進展テストなどの報告もあるみたいなので下に図示しますね。
母指CM関節症の徒手検査
  • axial compression-adduction test:CM関節に軸圧をかけながら外転
  • axial compression-rotation test(Grind test):CM関節に軸圧をかけながら回旋)
  • 母指内転進展テスト:母指を最大内転位で垂直方向に強制進展)(下写真参照)

 

①母指を内転位までもっていく       

②その状態で強制的に伸展動作

 

分類は?治療法は??

無能研修医ブタ男
そろそろお腹いっぱいです、、カンファでここだけは的なのあります?

整形外科非専門医
分類をある程度まとめて今日はこの辺にしよう、オペのこととか詳しくやる余裕なさそうね。。
現在最も多く用いられている分類は”Eaton分類”でしょうか。レントゲンでの関節の変化を分類したものです。
Eaton分類
  • stage1:関節形態正常、関節裂隙の軽度開大
  • stage2:関節裂隙の軽度狭小化、2mm未満の骨棘
  • stage3:関節裂隙の著明な破壊、2mm以上の骨棘
  • stage4:stage3に加えて大菱形第2中手骨間、大菱形舟状骨間、大菱形小菱形骨間などに変形性関節症(STT関節症)を伴う
ただこの分類は症状と必ずしも一致しないことがあるみたいなので注意が必要です!!!
stageが低い人は様子見、ひどい人は手術。というわけではありません。
また最近では関節鏡での分類などもあります。しかしこれは術前に行うのは大変というか不可能(関節鏡視下手術を行う際の評価がメイン)であり、あくまで参考までに記載しておきます。
関節鏡視分類ーBadia classificationー
  • stage1:関節軟骨正常、橈背側靭帯の破綻とびまん性滑膜増殖、前斜走靭帯の一部菲薄化
  • stage2:関節軟骨の象牙化(中手骨尺側1/3・大菱形骨中央1/3)、橈背側靭帯の破綻と滑膜増殖の激化、前斜走靭帯全域の菲薄化
  • stage3:中手骨側・大菱形骨側関節軟骨面の広範囲ないし全層軟骨欠損(周辺部の有無は問わない)、著明な滑膜増殖は軽減、 前斜走靭帯全域の菲薄化
*ではどのように治療を決めたりするの?
 何が大事なの??
上記の分類も、もちろん大事なんですが重要なのは臨床症状です。つまり日常生活で困難なことが多かったり、できなくなったことが多い、疼痛性障害が強いなどです。
どのように評価するかというと、かんたんに言えば日常生活のアンケート調査です。
よくわからないですよね?笑 
お偉い人が具体的に日常生活のこんな場面で困りませんか?というアンケートがあるんですよ。

○ッション○良
上肢の手術でスコアリングといえば?? そうだね!DASHだね!!
(https://seiga.nicovideo.jp/seiga/im7997789?from=a_seiga_660600)
DASH(Disability of the arm, shoulder, and hand)というスコアリングがあります、質問が30個あり、それぞれ5段階で答えていくものです。海外の偉い人が作ったもので、項目には性生活なんて赤裸々なこともまであります。
日本語版もありましたので載せておきます(http://www.jssh.or.jp/doctor/jp/infomation/dash.html)
また、母指CM関節症に関していえば、ネルソンスコアというものもあります。母指CM関節症に特化したものであるので、こちらが悪いと母指CM関節症を強く疑う、重症であると考えてもいいかもですね。(下図参照)

1.親指を使用してないときの痛みはどれくらいですか?

全くない 12点  ときどき 10点  少し 8点  普通 6点  少しひどい 4点  ひどい 2点  最悪である 0点

2.親指を使用しているときの痛みはどれくらいですか?

全くない 12点  ときどき 10点  少し 8点  普通 6点  少しひどい 4点  ひどい 2点  最悪である 0点

3.親指の力が弱くなっていると感じますか?

全くない 8点  ときどき 6点  少し 4点  ある程度 2点  深刻な程度 0点

4.親指の痛みに対して薬を使用していますか?

全くない 8点  ときどき 4点  常用している 0点

以下の課題を遂行できる程度を次の選択肢の中から選んで番号を記入してください

(5−全く問題ない 10点  4−少し難しい 8点  3−難しい 6点  2−かなり難しい 4点  1−道具を使えば可能2点  0−不可能最悪 0点)

5.ページをめくる

6.ドアの鍵を閉める

7.鍋蓋を開ける

8.チャックを上げる

9.服を着る

10.シャツのボタンを閉める

・分類、スコアをふまえた治療法に関して
色んなご意見があるとは思いますが、分かりやすくまとめるとこんな感じです。
  • どんな分類、スコアもまずは保存加療(手術じゃない)でいく
  • 保存加療では、内服剤・外用剤で鎮痛や関節内注射、そして装具療法
  • 薬・注射は病状を長期に抑制するエビデンスはないが一時的には有効
  • 装具は日中ずっと付けて生活、数ヶ月の経過で改善・外すことを検討
  • 保存加療を3-6か月で評価し、スコアリングが悪いものは手術、、、
装具療法を勧める先生が多いみたいです、装具は煩わしいのは少しあるけどできれば手術怖いし、したくはないですよね。
難しいところです。
手術に関しては種類がたくさんありますし、その後のリハビリテーションが大変なケースがあります。
なるべく保存加療で粘って、それでもだめなら手術という流れがいいんですかね。
ただ痛くてどうしようもない場合、その際はしっかり相談して手術を検討された方がいいと思います。
今回はこれぐらいにしましょう。手術に関して具体的にやるととんでもないことになるので、、
いつか気分が向いたら、またご希望があれば書きたいと思います。
(参考文献:Orthopaedics Vol.31Mo.1)
なお市販でも装具は結構売ってるみたいですね。便利な世の中だ。




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