Contents
患者数1000万人以上にいると言われる骨粗鬆症
今回は整形外科の疾患、【骨粗鬆症】について。
まあ、クソ多い。笑
閉経後の女性は要注意です。整形外科の疾患としてはトップ5に入るのではないでしょうか。
この疾患は、多くは疼痛はないことがほとんど。(疼痛がでるケースももちろんあります)
しかしこれを放置すると、非常によろしくない。
生命予後はもちろん、健康寿命にも影響を及ぼす可能性が高いです。
そう、骨折が非常に起きやすい。
しかも起きやすい場所が大腿骨近位部・脊椎など、QOLに関係が深いところで骨折がおきます。
超高齢化社会でどんどん増えてます、自粛などもあると更に増えます。
なので日常生活の対策、治療も日々ブラッシュアップする必要があるでしょう。
まず、骨粗鬆症の診断について
骨粗鬆症とは、
全身の骨に含まれるカルシウムの減少や骨の微細構造の異常を特徴とし、骨の脆弱性が強くなり骨折のリスクが高まった状態
です。
骨の強さ、骨強度が脆く・弱くなり骨折しやすくなると。。
骨強度=骨密度×骨質(微細構造や骨代謝など)と表され、ウェイトとしては骨密度7割・骨質3割と考えられています。
よく測定する骨密度だけの問題ではないんですね。
もちろん重要ですが。
では具体的にはどういった場合、骨粗鬆症と診断されるのか。
それは、
・骨が脆くて折れる骨折があるのか
・骨密度が若い人の平均値と比較して何%か
これが診断のポイントとなります。
骨密度で大事なのは若い人の平均値と比較するという点。
よくおばあちゃんが、
「同年代の平均値ぐらいと言われたから大丈夫と思っていたわ。」
なんて人もいらっしゃいますが、
この会話と同レベルです。
では全員骨密度の測る必要があるのか、という点ですが。
ある程度骨粗鬆症があると想定される人には測定が必要と考えてください。
骨粗鬆症のスクリーニング
全員に骨密度を測るのは現実的ではありません。
それっぽい人を測るの方がヒットしますし、医療費も手間も省けます。
じゃあそれっぽい人とはどんな人か。
こんな方々です。
・70歳以上の男性で痩せ体型、骨折リスク因子を複数有する場合
・閉経後女性や50歳以上の男性で、骨折リスク因子を複数有する場合
・ステロイド内服中の患者
まあ、やはり女性。特に閉経後の方はリスクありです。
*骨折リスク因子とは → 骨密度低下、高齢、女性、既往骨折、脆弱性骨折の家族歴、喫煙、飲酒、痩せ(BMI低値)、関節リウマチ・続発性骨粗鬆症の原因疾患の合併
これを踏まえて、疑われる人に関しては骨密度測定がbetterです。
・骨粗鬆症の日本での診断基準
- 骨折を認めず、骨密度が若年成人平均値(YAM値)70%以下、またはTスコア≧−2.5
- 大腿骨近位部骨折・胸腰椎圧迫骨折以外の脆弱性骨折(肋骨・骨盤・上腕近位部・撓骨遠位端・下腿骨)を認め、YAM値80%未満
- 大腿骨近位部骨折・胸腰椎圧迫骨折を認め、骨転移やそれ以外の原因疾患(多発性骨髄腫など)が除外された場合
となっております。
一文にまとめると、
骨密度でYAM値70%未満、70%台でも脆くて折れる骨折の経験者、大腿骨近位・脊椎圧迫骨折したことある人
全員、骨粗鬆症です。
治療についてはまた後日
こんなに溢れている骨粗鬆症。
治療方法が気になると思いますが、それは量が多くなるので後日また記事を上げたいと思います。
骨粗鬆症ある人もない人も予防的に気をつけてもらいたいこととしては
・運動(足腰の筋力強化など)
・食事(ビタミンD(できればKも)、カルシウム)
・日光浴(ビタミンDの補充)
となります。あとは禁煙・節酒。
だいたい、皆さん気をつけてるんですけどね。といいますが、栄養不足の傾向が多いです。
ビタミンDが高齢者の股関節骨折からの回復を後押し Carenet医療ニュース #carenet https://t.co/XKg7UReu0j
やっぱビタミンD重要だよね。
— kazuu (@kazuu_dr_blog) June 25, 2020
最近では、筋肉も良いと言われているビタミンD。
骨粗鬆症、骨折に対してもいい事だらけです。
多めの設定で、トレーニングしている人で50μg/日(2000IU/日)摂取を目標とすると
魚で多く含まれ、その中でも特に含まれる鮭で2切れ必要です。
毎日これと考えるとしんどいですよね。
最低目指す量として食事で8.5μg以上、日光浴20分程度とし、その合計で15μg弱。
まずはこれを目指すのがいいと思います。
食事で必要な量をとるには具体的にどれくらいか、一度調べてみるのをオススメします。