【整形外科】【医療】ALS(筋萎縮性側索硬化症)について

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今回は最近ニュースになったあの疾患

 

4連休2日目。

 

天気は曇りですが、だいぶ雨は少なくなってきました。

コロナは増えに増えてますね。

 

 

今一度、感染対策をしっかりしていきましょう。

どの職種も大変ですが、1日を大事に頑張りましょう。

 

一度きりの人生、そしてこんなご時世なのでいつ何があるかも分かりません。

後悔ないようにやれることやりましょう!!

 

 

 

今回は今ニュースになっているあの疾患。

 

 

そう、

”ALSこと筋萎縮性側索硬化症”です。

 

整形外科ではない疾患ですが、鑑別疾患としてはおさえておく必要があります。

実際自分も、診たことはありません。

 

コードブルーで見たぐらいw

 

実際難病であり、今回のような事件が起きたとは思いますが、

なかなか難しいですよね。

 

尊厳死・安楽死に関しては非常にナイーブなので個人的見解はあまり語りませんが、

日本は特にタブー感ありますよね、海外のように合法化は難しいかもしれません。

 

 

筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、原因不明で、上位運動ニューロンと下位運動ニューロン障害を進行性に生じ、四肢麻痺、球麻痺、呼吸筋麻痺をきたす。

今日の臨床サポート

 

まずこの疾患の厄介なところが

原因不明

という点。このご時世でもそういった疾患はありますが、

不明な上に、進行性であり、指定難病です。

 

 

2014年前にSNSで話題になった”アイスバケツチャレンジ”で、

医療関係者でなくても、病名はご存知の方もいらっしゃるかもしれません。

 

 

症状は簡単にまとめますと、

感覚障害を伴わないか軽度伴なう、進行性の筋萎縮・筋力低下(全身)を認める

というのが概念です。

 

 

有病率は10万人あたり2〜7人程度で、40歳以降、

多くは50歳以上に発症し、男女比は3:2とわずかに男性が多いとされてます。

 

 

診断において重要なのが、

特異的なマーカーがなく、診察・検査所見での除外診断となること。

 

採血とレントゲンみただけで、

無能研修医ブタ男
これは間違いなくALSです。

 

とはなりません。

 

 

やはり診察、特に身体所見が重要となるのがこの疾患です。

そのあたりを整形外科ではどんな点で見ていく必要があるかが大事です。

 

身体診察での重要な点

 

ALS63例中48%が頚椎症、13%が腰椎症、6.3%が後縦靱帯硬化症を合併していた。

Yamada M, et al : J Orthop Sci, 8 : 878-881, 2003

 

脊椎症の患者さんは、整形外科では非常に多いほうでしょう。

好発年齢はオーバーラップする部分があり、併発というケースもありえます

事実、上記の報告などもあります。

 

 

特にALSは上肢症状が出やすく、頚椎症との鑑別が重要です。

そこに関して解説していきたいと思います。

 

✔ワンポイント
★ALSと頚椎症との鑑別
・上肢、特に手内筋(小手筋)の萎縮の仕方
・頚部屈筋の筋力
・大胸筋の線維束性収縮
ーPLUS CHUGAI

上肢、特に手内筋(小手筋)の萎縮の仕方

 

下位運動ニューロンの障害による筋力低下・萎縮ですが、

 

頸髄から始まることが多いために上肢から強く現れます。

一側上肢の遠位筋の萎縮や筋力低下で始まり、両側性に進展することが多いです。

 

 

上肢遠位筋・手内筋の評価で重要なのが

短母指外転筋(APB)

・第一背側骨間筋(FDI)

・小指外転筋(ADM)

これらが観察されやすいとされてます。

 

ALSの初期では、

親指側の手掌・手背筋であるAPB、FDIの萎縮が目立つのに比して

小指側のADMが保たれる、という萎縮パターンが認められることが多く、

これをsplit handと呼んだりするそうです

 

APBとFDIはADMと比べ

グルタミン酸に曝露を受け障害されやすいとする考え方、

持続的自発発射によって負荷がかかり障害されるという考え方、

などいくつか仮説があるみたいです。

 

頚椎症では

頻度の高いC5~6椎体症性変化によって運動髄節であるC7~8が障害されるため、

C8支配筋優位の筋萎縮、ADMも萎縮がみられる訳ですね。

 

ALSの早期〜中期では、

ADMは保たれてるのに対してAPBとFDIが萎縮している場合

ALSを考えたほうが良いということです。(進行すればADMも萎縮はします)

 

頚部屈筋の筋力

 

ALSでは臨床的及び解剖学的にも

初発部位から頭尾側、対側に連続性をもって進展するとされます。

 

上肢の筋力低下・筋萎縮から発症した場合、

球症状を呈する前に、上位頚髄に病変が及ぶことになります。

 

つまり頚部屈筋の筋力低下が生じます。

これは頚椎症では起こらないですね。

 

仰臥位にしておでこを軽く押さえた状態で、

抵抗に比して首を前屈してもらいます。

 

これは簡単に出来て、明確な鑑別となりえます。

しかし、頚椎症ないし頚椎椎間板ヘルニアなどによる疼痛性で、

前屈困難時はやや評価が難しいかもしれません。

 

大胸筋の線維束性収縮

 

こちらも頚椎症では考えにくいですね。

 

近位では頚部屈筋、遠位では大胸筋。

大胸筋はC5~T1の5髄節からの支配を受けてます。

 

萎縮は判断が、難しいですが線維束攣縮を認めた場合はALSの可能性が高くなるかと思います。

その他!!ALSの陰性所見

 

懐かしのyear noteを眺めていると

陰性所見というものがありました。

 

これは知っておいて損はないでしょう!!

①.他覚的感覚障害

②.眼球運動障害(終末期はあり?)

③.膀胱直腸障害

④.褥瘡

⑤.小脳症状

⑥.錐体外路症状

 

①〜④を4大陰性所見と言うそうです。

これらを認める場合は、ALSは否定的となります。

 

治療は難しい、、、

 

 

 

治療は専門外なので詳しく触れませんが、

 

根治療法は現時点ではなく、対症療法が中心です。

難しいですね、、

予後は3〜5年とされてます。。。。

 

 

 

 

自分はまだ診たことが有りませんが、

整形外科であれば出会うかもしれません。

 

きちんと診断出来るようにしたいと思います。

 




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