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親指側の手首が痛い!?
テレワークなどが増えて、パソコン業務や家事など手首の負担が多い人が増えた気がします。
今回はそのような影響で痛みが出てくる手部(手関節)の腱鞘炎。
de Quervain病(ドゥケルバン病)についてです。
この辺の痛みは鑑別疾患が多く、診察や疼痛部位を正確に把握する必要があります。
特に中年女性の場合、以前にも取り上げた【母指CM関節症】との鑑別は重要です。
このドゥケルバン病の男女比率ですが、なんと女性が男性の7〜8倍も多いんです!!
好発年齢は20〜30歳代(授乳中の方など特に)、50〜60歳代と2つのピークがあります。
ホルモンバランスの変化が発症に関与していると示唆されています。
病態は?治療は??
親指を動かす筋といいますか、”腱”とよばれるものがいくつかあります。
その中でも、ドゥケルバン病で特に関わるのは
・短母指伸筋腱(EPB)
・長母指外転筋腱(APL)
という腱になります。
この2つの腱は伸筋腱の中でも第1区画にある腱です。
特にEPBが原因と言われてます。
親指を上の図のようにピンコ立ちさせるとその筋が浮かんできます。
違う角度から見るとこの筋です。
上のハッキリ見える方でなく下の方の腱がEPBです。
この腱が区画の炎症、狭窄によって疼痛を引き起こします。
診断方法としてフィンケルシュタインテストがあります。
上記の部位に腫脹や圧痛があり、母指と一緒に手首を小指側に曲げると痛みがいっそう強くなることで診断します(フィンケルシュタインテスト変法)。
正しくは母指を写真のように小指側に牽引したときに痛みが強くなることで診断します(フィンケルシュタインテスト)。
治療としては
母指の安静!痛くないように工夫、生活状況の改善です。
あと消炎鎮痛剤。
整形外科の疾患は、日常生活の負担・姿勢などが大半原因となりますけど、それを伝えてもなかなか改善出来ないのが難しいですよね。
薬使って結局普段の生活して、それで”痛いです”ってのが正直多いです。
そりゃそうだよね。
と思いながら毎回説明して治療継続するしかないんですけどね。
これでも改善が乏しい場合は固定や注射を検討します。
あとは理学療法として超音波をあてるのも有効です。
症状が中等度なら固定は市販の装具でも良いと思います。ひどいときはシーネ固定です。thumb spica。
注射は遠位からEPBをほぼめがけて気持ち橈側へステロイドぶっこみます。
数回やってだめならopeも検討したほうが良いと思います。
適応としては保存加療無効例と、
第1区画のEPB・APLの腱の間に”隔壁”を認める場合は手術が望ましいとされてます。
エコーなどで評価するとわかりやすいかと思われます。
ドゥケルバン病のおじいちゃんが
外来で経過みているドゥケルバン病のおじいちゃんが今日来られたのですが、
まさかのおじいちゃん、小説デビューを果たしていましたww
昭和について、戦争について書いた作品で、
「昔のことかもしれないけど、伝えたいことを書いてあるから良かったら読んでください」と紹介されました。
正直、めっちゃカッコええー!と思いました。
おじいちゃんになってから、後世のために(だけではないかもだが)、作品を残したい。
そしてそれを実現したこと、決して容易ではなかったと思います。
自分の生きた証、自分を表現するためには作品が一番良いのかなと自分は思ってますが、まさにこれだと感激しました。
今もこれからもですが、自分ならではの作品を残せたらなと思います。