珍しい?!肩関節後方脱臼について【整形外科】

久々に整形外科のネタにしました

 

 

11月も今日で最終日。

 

いかがお過ごしでしょうか。

寒さもあり、コロナの再拡大も懸念されてますね。

 

本当に国内海外含め急速に増加してます。

ワクチンニュースや慣れ、Go Toなどもあり、

以前ほどの注意を払いにくくなってるかとは思います。

 

十分にお気をつけください、基本的感染対策です。

 

というわけで、

今回は整形外科疾患でもメジャーである疾患。

”肩関節脱臼”

のマイナーな

””後方脱臼””

についてです。

 

 

 

そもそも脱臼しやすい関節はどこか?

という話ですが、

最も脱臼しやすいのは

”肩関節”

です。

 

これはなぜか。

骨性の支持が少ないからです。

 

肩って他の関節に比べてめちゃめちゃ色んな角度に動きますよね。

骨の覆い被さりが少ないため、

色んな動きができます。

 

その分安定性に関しては軟部組織に委ねているため、

外傷などによる脱臼が非常に多い場所なんです。

 

全外傷性脱臼における肩関節脱臼の割合ですが、

なんと約半分です!!

 

脱臼といえば1/2で肩なんです。

整形外科の外来で見掛けるクリニックはほぼほぼ肩といっても過言ではないです。

 

 

では!!

肩関節脱臼には種類がいくつかありますが、

その中で一番多いのは、

”肩関節 前方 脱臼”

です。

📝参考文献
Prognosis in dislocations of the shoulder. J bone Srug Am.1956 Oct;38-A(5):957-77

 

古い文献を見ても、

肩関節脱臼の前方脱臼の割合は90%以上との報告があります。

整形外科非専門医
90%? ほぼ100%じゃね??

無能研修医ブタ男
整形外科の先生でも見たことない人いるんですね?!

 

後方脱臼は本当に珍しいです。

 

「何もしないからホテル行こう」

ってホント何もないぐらい珍しいです。

 

こんなマイナーな脱臼ですが、

決して0ではないこと。

 

また前方脱臼に比較して、

見逃されやすいことがあるということ。

 

これらについて調べて行きましょう。

後方脱臼、気をつけるべきポイントは?

 

肩関節脱臼は、

転倒や転落・スポーツの接触プレーなどので生じるケースが多いです。

 

疼痛はもちろんありますが、

ある一定の姿勢で固まって動かせない、

患肢を支えずにはいられない、

自分で動かすのは全く無理、

などが多いです。

 

骨折よりも著明な腫脹や皮下出血乏しいです。

だけどばね様に固定されてる、

こういったときは脱臼を考えます。

 

1回されたことある人がまた同じ症状はほぼ再脱臼です。

10〜20歳代の初回脱臼の半分以上が再脱臼、反復性脱臼に移行します。

 

前方脱臼はXpを見れば一目瞭然です。

初回の肩関節脱臼の年齢が若いと反復性脱臼に移行しやすいと言われています。10歳代に初回脱臼したものは、80~90%が再発するのに40歳代以降では再発はほとんどないのが普通です。

肩関節は上腕骨と肩甲骨との間の関節で、接触面が小さく不安定で、関節包や関節唇という軟部組織にささえられています。
肩関節が脱臼すると、多くの場合この軟部組織がはがれたり切れたりして、安静にしていてもこれがうまく治らないことが、反復性脱臼(脱臼ぐせ)になってゆく大きな原因です。

-日本整形外科学会

 

図の通り、

前方脱臼は一目瞭然。

 

では、後方脱臼ではどうなのか。

-MSDマニュアル プロフェッショナル版

 

この図。

一見わからないですよね。

 

これが後方脱臼です。

 

 

 

分かります???笑

 

多分整形外科医(と放射線科医)以外はこの正面のXpでは絶対分かりません。

整形外科医の先輩ですら見逃してるぐらいです。

珍しいし分かりづらいんです。

 

 

正常と、何が違うのか。

以前に自分が見た文献ではこんな記載があります。

 

正常は”杖”で

後方脱臼は”電球”

ということ。

 

これは何のことかと言いますと、

上腕骨頭の形です。

 

これが杖。

これが電球。

 

これを雑な編集をすると、

 

これが正常。杖。

上腕骨頭がやや結節の分、丸ではなく外側が突出してる訳ですね。

 

 

これが後方脱臼。電球。

骨頭が丸っぽいですよね。

これが正常との違いです。

 

この所見、正式名称があります。

light bulb signまたはice cream cone signなどといいます。

 

あとは、

rim signなどもあります。

 

 

正面像で見たときに、

関節面がやや開大しているように見える所見です。

 

こういった所見が見られた時は、

後方脱臼を疑いましょう。

 

 

 

よく分かりません!!と言う方。

撮影条件でスカプラY像も追加して見ると一目瞭然です。

 

これに関しては先程ご紹介した、

MSDマニュアルのサイトにて整復の動画があります。

そこで

スカプラY像がわかりやすい!

という画像がありましたので、一度見てみると良いかと思います。

整復は??

 

前方脱臼の整復については、

様々な方法がいろんな文献に示されてますが、

後方脱臼にはあまり記載されてるものは多くはありません。

 

 

いろんな文献を見ても、整復法に関しては

コンセンサスは得られてないのかなとすら思ってしまいます。

 

多いのは、

前下方への牽引操作。

これを推奨してるものが多いです。

 

もしくは、

患肢を外転、内旋させながら骨頭を持ち上げるイメージの整復。

外転ですね。肝は。

あと骨頭を持ち上げる時にカウンターとして、

烏口突起部を前方から後方へ押すことでも整復が得られるといった報告もあります。

 

それと肘屈曲位での牽引や内外転・内外旋操作。

前方とはこの辺が違うのかなと思います。

 

 

 

 

決しては多くはない症例ですが、

見逃されやすく、整復もこれらを愛護的に行う必要があります。

参考になれば幸いです。




Twitterでフォローしよう

おすすめの記事