【整形外科】 足関節果部骨折 脛腓間どーするー

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今回も骨折について

 

どーも、久々更新。

今回は足関節果部骨折について書こうと思います。

整形外科のこと書こうと思うといっぱい書かなきゃという強迫観念めいたものがあって、

あまり書く気が沸かないので今回から専門的なこと書いたりするときや一般的なことも書くときで分けたいと思います。あまりダラダラ書かずより多く更新することを目指します。

 

今回は非常に専門的で整形外科以外の人には優しくないです。笑

 

足関節果部骨折

 

今回は足関節の骨折ですね。

高齢者もそうですが、若い人の外傷でも結構多い骨折です。

めっちゃ痛そうで腫れますし創部にも悩まされることが多い印象です。

今回はこの骨折で脛腓間の固定どーしますか?についてです。

 

 

 

 

このようにweber typeCのような骨折で脛骨腓骨間の開大を認めるパターンですね。

従来、腓骨近位での骨折(Maisonneuve骨折)で下腿骨間膜の破綻しているケースには基本的に脛腓間の開大があり、同部位にscrew固定(positioning screwとして挿入)が必要とされてました。

そして、免荷して6週前後で抜去してから歩いたり、体重かけましょう。なんて言われていたと思います。

これに対して、最近はどのように考えられたり治療するのが良いのか。気になったので調べてみました。

 

脛腓間固定について

 

基本的には損傷形態である程度、する症例しない症例は想像できるかとは思います。

先程も話したが、まずは靱帯結合部(syndesmosis)からみてどこが折れてるかですね。

 

図の部分より中枢で折れてる症例(weber typeC,AO44-C1,2,3等)は固定の可能性が高いと思います。

その前提はありますが、実際は内固定後のXP評価、またしっかり術中にストレステストが重要です。syndesomosis高位での損傷でも不安定性が出ることはあり、その場合はやはり固定が望ましいと考えられます。左右差などもしっかり確認が望ましいでしょう。

Xpに関しては、mortise viewとtalar dome lateralでの評価が必要となります。これにて関節面の評価や脛骨腓骨における位置関係を評価することですね。 

 

mortise viewとtalar dome lateral view

mortise viewは内旋15-20度での撮影で足関節の関節面をきれいに撮影する方法ですね。

https://elentra.healthsci.queensu.ca/assets/modules/ts-ankle-radiograph/ap_mortise_view.html

 

上記のように脛骨、腓骨、距骨で形成されるスペースがきれいに描出されます。これで短縮や回旋などを評価出来る訳です。これで外旋ストレステスト(足部を外旋させて脛腓間の開大がでるか)などを確認します。フックテストなどもあります。

 

talar dome lateral viewはさらに聞き慣れないかもですね。かんたんに言うと距骨関節面を側面できれいに描出する撮影です。これで脛骨腓骨の前後方の関係性を評価します。

 

surgical technique 5,4,2015(415)

 

このような撮影方法で、位置関係を判定します。

Aの図では赤い線の部分の距離を健側と比較してどうかを。

Bの図ではA/B=APTFratioが0.94±0.13であれば良いとされてます。

 

実際どーするか

 

脛腓間の固定は実際どーするべきか、悩ましいですね。

screw固定した場合、荷重のことを考えるなら昔なら抜去とされてましたが、6週でscrew抜去は不十分といった報告もあり、AO法骨折治療では荷重時期に関係なく12~16週を推奨されています。

折れるのは術後合併症で、ずっといれっぱなし!!という先生もいるみたいです。さすがにこれは怖い気がしますが。

 

あとは固定材料、screwなのかZip Tight等の糸(紐)で固定すべきか。screwならlag screwにすべきか、positioningにすべきか。脛腓間を圧着させる意味合いではlag screwなのかもしれませんが、ありえない選択肢と言われる人もいるかもしれません。最近ではpositioningと比較して、可動域や成績に差はなかったと言った報告もあるそうですが、AO法では足関節中間位でのpositioning screwが推奨されてます。

ただlag screwの場合、心配なのが脛腓間screwの方向が適切でない場合、整復不良による合併症が起きやすい気がします。

下図の様に、screwの固定の際は角度に注意して挿入する必要があります。これによって解剖学的整復位を保つ事ができますが、間違った角度でしかも圧着等をかけると、整復不良の原因にしかなりえません。十分注意して挿入し、かつtalar dome lateral viewでscrew刺入後に脛骨腓骨の前後方の位置関係を確認しましょう。

 

AO骨折治療より

 

そのため、以前から言われているpositioning screwの方がsyndesmosisの整復不良はおきにくいと思うので個人的にはしっかりとした整復をした上でpositioning screwの方が良い気がします。脛骨の対側皮質まで抜いて、固定及び折損に備えるという先生もいてこれがscrew固定ならベストな気がしてます。

後はZip Tight等などの固定ですね。これも有用だと思います。荷重するにあたって、折損リスクがないことや圧着効果も強みです。整復不良の可能性や骨孔拡大などのリスクは今後も検討する必要はありますが、積極的に試していきたい固定です。

 

 

今回は足関節果部骨折でも脛腓間固定に関してという非常にマイナーなテーマとなってしまいました。笑

また新しいことを勉強したら更新できればと思います。

 




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