原因は?化膿性脊椎炎について【整形外科】

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今回は脊椎疾患について

 

今回は久々に脊椎疾患にしました。

前に見た患者さんで、珍しい発症契機の人がいたので調べてみようと思います。

 

”化膿性脊椎炎”

 

なぜこれが起きるのか、

何なのかを調べてみました。

主な原因は??

 

化膿性脊椎炎とはどんな病気なのか。。。

化膿性脊椎炎や脊椎カリエスは、感染した細菌が血流によって脊椎(背骨)に運ばれることで化膿する病気です。半数以上は黄色ブドウ球菌が原因の化膿性脊椎炎です。結核菌の感染が原因である場合、化膿が起こる位置や症状が異なるため、脊椎カリエス(結核性脊椎炎)といって区別します。どちらの病気も40~50代に多いとされており、糖尿病、悪性腫瘍、肝機能障害、透析患者など、免疫力の低下している人に起こりやすい病気です。

ー済生会病院

 

脊椎の感染症ですね。

主な原因は、

血流感染です。

無能研修医ブタ男
主な原因は血流感染です!!

ひろ○き
なんだろう、2回言うのやめてもらっていいですか。
教科書的なことを言うと
・血行性感染により発症し、起炎菌は黄色ブドウ球菌が多い
・糖尿病や肝疾患・腎疾患、免疫抑制状態などの基礎疾患を有する
・尿路や呼吸器・皮膚感染症、手術感染巣などからの波及で発症
・多いのは腰椎、ついで胸椎、頚椎の順に見られる

症状としては

発熱、疼痛(罹患した椎体部)を認めます。脊椎不撓性といった言い方もされます。

 

化膿性脊椎炎の厄介なところは、

ありふれた腰痛の中に紛れ込んでくるところでしょうか。

 

発熱してて、糖尿病とか免疫を抑える薬を飲んでる人が腰痛!

⇨化膿性脊椎炎考えなきゃ!

とは、なりますが

 

なんか腰痛いです、特に薬とか飲んでません。

⇨非特異的腰痛だろ。

⇨⇨感染でしたーーーー!!

 

ということもあります。

 

治療は難渋しますし

鑑別としてはしっかり化膿性脊椎炎は抑えておきましょう。

 

個人的は印象ですが、

不撓性はある程度特徴的だと思ってます。

 

前屈時だけ痛いとか後屈が辛いとかではなく、

どっちにも動かしただけで痛い。

前後屈での疼痛の優位差が乏しいと個人的には思います。

自分が診た症例は疼痛の度合いも違和感を覚える強さでした。

 

中高年、脊椎圧痛および叩打痛、頑固な疼痛、不撓性

自分的にはこの辺が揃えば、採血・MRIを積極的に勧めるようにしてます。

 

画像診断としてはMRIが最も有用で、

T2強調像で椎間板内、隣接椎骨の高信号を認めます。

 

CT(造影)は診断がついたら、

硬膜外膿瘍や腸腰筋膿瘍などの検索には有用かと思います。

抗菌薬投与となるけども

 

治療はまず

抗菌薬!!

あと局所の安静(コルセット等)

ですね。保存なら。

 

とにかく治療が大変な化膿性脊椎炎。。

大事なことは、適切な抗菌薬を適切な期間投与です。

 

経験的にbroadな抗菌薬治療は起因菌の同定を遅らせるのでやめましょう。

 

起因菌として代表的なのは

黄色ブドウ球菌(MSSA)ですね。

 

この菌血症が確認されたら、

化膿性脊椎炎と感染性心内膜炎を必ず頭に浮かべる必要があります。

MSSAといえばまずはセファゾリンとなりますね。

 

一方で、

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)

これによる治療の1stはバンコマイシンとなりますが、

 

MSSAが原因の化膿性脊椎炎に対してバンコマイシンを使用した場合、

セファゾリンに対して明らかに治癒失敗率が高かった報告があります。

📝参考文献
Stryjewski Martin E ME et al. Clin Infect Dis. 2007 jan 15;44(2)190-6
原因は多岐に渡り治療にも難渋する厄介な疾患ですが、
決して珍しい疾患ではなく、

 

色々な症状が合併した腰痛や免疫不全・感染症治療患者での背部痛等では

化膿性脊椎炎を鑑別として浮かべるようにしたいと思います。

 

参考になれば幸いです。




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