鎖骨の内側、膨らんでない?!SAPHO症候群とは【整形外科】

前回に引き続きまして!!

 

 

 

今回は、”SAPHO症候群”について。

 

まあ、聞いたこと人はそうそういないでしょう。

 

前回は脊椎関節炎、SpAでしたが、

それと症状はかなりオーバーラップしてます。

 

✔ワンポイント
1987年、フランスのChamotらが報告、命名した。
前胸部・鎖骨を中心に生じる無菌性の硬化性もしくは肥大性骨関節病変は1972年Giedionらが報告して以降様々な報告があったが、
これらを包括的な疾患概念として ”SAPHO症候群”、と提唱した。

 

SAPHOってなんだYO!!!

と、思いますが

 

S:synovitis 滑膜炎

A:acne 痤瘡

P:pustulosis 掌蹠膿疱症

H:hyperostosis 骨肥厚症

O:osteitis 骨髄炎

 

これらの頭文字です。

主に、胸骨、肋骨、鎖骨が連結する前胸壁正中部付近に発症する

非特異性慢性炎症性疾患で、滑膜炎・皮膚症状なども伴います。

 

PAO(pustulotic arthro-osteitis)掌蹠膿疱症性骨関節炎と読ぶ人もいたり、

そことは区別したりする人もいたり、

SAPHO症候群の中に、PAOがあるという人もあったり、

本当によく分かりません。

SAPHO症候群の疫学、症状、検査等

📝参考文献
関節外科 Vol.39 No4(2020)

では、各論的な話をしていきましょう。

 

まず、発生機序!

に関しては明らかではありません。笑

 

靭帯付着部症による骨・関節炎や皮膚病巣の抗原抗体反応に対する遷延感作状態、

自己免疫・炎症性疾患の関与

内分泌、遺伝的要因、感染

などなど

色々な報告はありますが、病態解明には至ってないようです。

 

疫学

 

メジャー疾患ではありません。

欧米では、10,000人に1人と推定されてます。

スロカスマン
PGGより確率低いな!
日本では、どれくらいの頻度かという報告はなさそうです。
好発年齢40歳代、30〜50歳が多いみたいですが、初発は20〜60歳が多いそうです。

 

発症30歳未満では明らかに女性が多かったり、更年期層の女性が多い

なんて言われてますが、

全体の男女比は国内では1:1、欧米では3:2という報告もあります。

無能研修医ブタ男
どっちや!!!

 

臨床症状

 

症状に関しては、

①骨・関節症状

②皮膚症状

③その他の症状

に分けて、述べていきます。

 

①骨・関節症状

SAPHO症候群のメイン症状!

皮膚症状の有無に関わらず認めます。

自発・運動時痛ともあり、局所の腫脹や圧痛・熱感を伴い、慢性・一次性・多発性。

 

下記のうち、いずれか1つ以上を含むものです。

ⅰ)滑膜炎関節周囲の骨減少、関節裂隙狭小、非びらん性ないしびらん性滑膜炎(骨炎)

ⅱ)骨炎皮質・骨髄腔の局所炎症に骨痛・圧痛・腫脹

ⅲ)増殖症髄腔狭窄を伴う硬化性病変。時に溶骨性病変の共存。

ⅳ)体軸性脊椎関節炎前胸壁に多い(60〜90%)。SpA様の仙腸関節炎等(30〜50%)が出現、片側性仙腸関節炎が多い。

 

②皮膚症状

SAPHO症候群と診断された患者の60%以上が皮膚症状を併発すると言われてます。

皮膚所見としては、

・掌蹠膿疱症(palmo-planter pustulosis; PPP)

・痤瘡

・好中球性皮膚炎

などを認めます。

 

一番注目すべきはPPPですね。

ⅰ)皮膚病変持続型 continuous type;前胸部症状を認める確率92.8%、寛解率7.1%

ⅱ)皮膚病変寛解再燃型 recurrent type;70%、30%

ⅲ)一過性皮膚病変型 transient type;46.4%、53.6%

の3typeに分類され、ⅱが一番多く(約50%)、

胸肋鎖骨肥厚症などの骨関節症状は皮膚病変と連動する傾向があります。

ー今日の整形外科治療指針

 

皮膚病変が先行するケースもあり、

70%が2年未満に骨関節症状が生じると行った報告があるそうです。

 

痤瘡に関しては、

顔・胸部・背中などにしばしば残存する犯行を伴う結節性痤瘡

が典型的と言われ、およそ25%、

特に手男性に発症するそうです。

 

③その他の症状

全身症状として、

疲労、発熱、腰痛・肩関節痛・四肢関節痛、眼痛、咽頭部違和感、口渇などの自立神経症状

などなどたくさんあります。

 

あとは鎖骨下静脈の静脈血栓症、肥厚性硬膜炎、ぶどう膜炎、坐骨神経痛など

これらも併存報告があります。。。

 

 

厄介なのが、

炎症性腸疾患 IBDとの関連ですね、約10%で認め潰瘍性大腸炎よりクローン病が多いそうです。

ますますSpAっぽいですね。

 

検査

 

・単純X線

胸鎖関節を始めとした部位に、

骨過形成、骨破壊・骨硬化・骨溶解やびらん、

非対称性のnon-marginal symdesmophytesを伴なう(marginalも)付着部炎周囲の靭帯棘

などを認めます。

 

また体軸性脊椎関節炎症状は、小児・成人の両方で見られます。

 

・骨シンチグラフィー

胸鎖関節炎を伴うSAPHO症候群では

”Bull's head”とよばれる集積性変化は特徴的です。

 

・MRI

骨炎、骨髄浮腫を検出するのに役立ちます。

軟部組織や骨びらんなどの構造病変も診断可能です。

 

・血液検査

特異的なものはあまりないのが、現状。。。。

ただ以下の異常を認めることが多いとされてます。

血沈亢進、CRP上昇、IgG上昇、ALP高値、WBC上昇

また

HLA-B27の頻度は上昇してないそうです。

 

診断とか、治療とか

 

 

診断のアプローチですが、

2003年の診断基準は以下のとおりです。

✔ワンポイント
★SAPHO症候群診断基準
①Inclusion criteria
ⅰ)掌蹠膿疱症に関連する骨関節疾患
ⅱ)重症痤瘡または化膿性汗腺炎を伴う骨関節疾患
ⅲ)無菌性骨炎
ⅳ)慢性再発性多発骨髄炎(CRMO)(小児)
ⅴ)炎症性腸疾患(IBD)と関連する骨関節所見
②Exclusion criteria
感染性骨髄炎/骨炎・骨腫瘍/転移性骨腫瘍・非炎症性骨関節病変(DISH)等、
上記ⅰ〜ⅴのうち、少なくとも1つを満たし、除外診断が可能な場合
⇨SAPHO症候群と診断する

 

まあ、参考までにww

 

臨床症状で疑うとこをもうちょっとかいつまんでいくと、

・前胸部の疼痛、腫脹、膨隆

・異常骨化像、RI集積性変化

・PPPの合併

・血沈亢進、CRP上昇、IgG上昇、ALP高値

・自立神経症状、不定愁訴など

・強いて言えば後年期女性

 

また、線維筋痛症なども合併があったりするみたいです。

いやー深い深い。

 

 

 

治療なんですが!!

 

、、、、現時点では最適な治療ガイドラインは無いんです。。

PPPと同様で難治性みたいです。

完全寛解も病型によっては確率低いのもありますし。。

 

疼痛に対しては、NSAIDsやステロイドは有効ですが、根治療法ではないです。

 

 

 

いかがでしょうか。

前回に引き続き難しい疾患ですね。

 

専門医試験でも出たりしてます。

やはり皮疹、PPPは特徴的所見ですので、

しっかり覚えておきましょう。




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