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子供の首が動かないし曲がってる!?
たまーに来る、外来での小児疾患。
−急に、首を斜めにして痛くて動かさなくなりました。
そう聞いて思い浮かぶのはこの疾患。
疾患概念
軽微な外力により、環椎が軸椎に対して回旋位をとったまま中間位まで復元できない状態になり斜頸位をとった状態(Cock-Roin position)である。小児特有の病態であり、耳下腺炎に罹患した小児において、外傷とは無関係に発生することもある。
今日の整形外科の治療指針 第7版
・疼痛のため頚部の自動困難
・軽微な外力や耳鼻科領域の先行感染
⇨これらは環軸椎回旋位固定を疑いましょう!
画像検査について
問診と身体所見でだいたい検討はつきますが、
確定診断、分類評価などには画像検査が有用です。
まずはXp!!!
頚椎の正面・側面2方向が基本とは思いますが、それに加えて
開口位は撮ったほうが良いです
矢印のように軸椎が右に傾斜し、環軸椎間の関節裂隙も左右差を認めますね。
まあ、あとは前後屈の動態撮影で不安定性見るのも一つですが、
痛みもあって無理ならなしでもok。
自分は側面像と開口位と、臨床所見で診断をしてます。
側面像は
・retropharyngeal spaceの拡大
・環椎歯突起間距離(atlantodental interval; ADI)の開大
を確認します。
ADIは小児では5mm以下が正常です。
また、retropharyngeal spaceの著明な拡大で、発熱や炎症反応高値は、
頚椎の化膿性疾患も鑑別です。
MRIなども必要となりますし、Xpの動態撮影の不安定はAARFを疑います。
CTでは水平断像や3DCTでの環軸椎の関係を確認しましょう。
Fielding分類 AARFは4型にに分類されてます。
・Type 1:環椎の前方転位を伴わない回旋固定
・Type 2:環椎の5mm以下の前方転位を伴なう回旋固定
・Type 3:環椎の5mm以上の前方転位を伴なう回旋固定
・Type 4:環椎の後方転位を伴なう回旋固定
治療は?
基本は保存加療です。
局所安静、投薬で改善するケースが多いです。
受傷早期であれば、
鎮痛薬(アセトアミノフェン;1回20〜30mg/kg程度を1日3回ないし4回)
あとは頚椎カラー処方など
ですね。
整復が遅れると、どんどん整復困難になることが多く、
場合によっては入院、手術もあります。
Glisson牽引と言われる処置で、整復されるまで入院。
期間は斜頸位が改善し、左右の頚部回旋が可能になるまで。
重さは1.5〜2.0kgぐらいでしょうか。
それでも整復困難や神経症状・著明な不安定性ある場合は、手術になることも、、、、
いかがでしょうか・
早期診断・治療が大切なので、お子さんが疑わしい症状ある場合は、受診するようにしましょう。