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整形外科も徐々に受診が増える?
なんか、梅雨だけど天気いい日が続いてますね。
アラート解除の影響で、自粛ムードも少しずつ緩和されてきたのかな?海外ではまだ猛威ふるっている国もありますし、日本も日毎感染数にまだ波はありますが経済も考えて動いていかないといけません。
いろんなお店も営業を再開し始めてます、客足が順調に戻ってくるといいですね。
コロナの影響で、病院も受診数は減少しており、小児科・整形外科などは比較的大きな被害を被ってると聞きました。
最近になって徐々に増えてますが、今後もコロナなり、違う感染症で同じ事態になることがあれば病院(特にクリニック)も経営難、医師の収入・生活も安泰とは言えないですね。世知辛い。。。
まあやることやるしかないですね。
とりあえず自粛、テレワークの影響で外来は首と膝痛い人がやたら来ます。
筋力低下、姿勢、体重増加などstay homeの影響は整形外科疾患を引き起こす要因が多いようで。
そんな大量の頚部痛、膝痛を見ている最中、久々に診たちょっと珍しい疾患がありました。
上腕二頭筋腱断裂とは
上腕とは、簡単に言うと肩から肘までを指し、その中でいわゆる”力こぶ”のところ。
そこが上腕二頭筋です。
この二頭筋は長頭と短頭という2つの筋腹があるのですが、その長頭腱が肩側で断裂してしまう疾患を上腕二頭筋腱断裂といいます。
力こぶが普通よりも肘側の垂れ下がって見えます。
これがポパイサインと言われるものです。
秋田魁新報2016年3月17日
写真のごとく、力こぶが肘側に寄ってポコっとふくらんでます。
あまり筋肉のないおじいちゃんも”ポパイ”のごとく力こぶがでてきます。
治療はどーすればよい??
では、実際長頭腱が切れた場合どーするか。
そもそも症状とか困ることは何なのか。
腱が切れた場合、著明な筋力低下が起きるのかと言われると、そーでもないです。
短頭は容易に損傷はしないですし、見た目の割に筋力や機能としては問題になることはありません。
痛そうですが、腱断裂するまえに炎症がある人の場合、むしろ断裂後に痛みが緩和されるケースもあります。
では治療はどうすればいいのか。
そう、治療はほうれん草を3房3xを継続、、、しなくていいです。
機能面だけを考えると、疼痛が強い時期は安静・消炎鎮痛剤の投与、三角巾固定を2週前後などしてもよいです。
症状が軽快したらリハビリ、可動域訓練などを中心に治療を行います。
これでわずかに筋力低下はあるも基本的には問題ないことが多いです。
逆に、手術になることもありますが、それはどんな時か。
若年で重労働やスポーツ選手の場合は手術を選択することがあります。
あとは整容面、見た目が気になるからどうしても嫌だ!という場合に手術となることもあります。
腱板症状にも注目を
大部分の人で手術を必要とせず、機能面の回復も悪くない。
じゃあそんな身構えなくてもいいか!と思う部分もあるかもしれません。
が、合併損傷として注目しなければならない疾患があります。
それは腱板損傷です。
ポパイサインなどがある人で肩も痛い方。
腱板(肩甲骨と上腕骨をつなぐ肩のインナーマッスル、筋)を確認しましょう。
特に、腱板の一つである、肩甲下筋の損傷と上腕二頭筋腱の損傷・断裂は関係が深く、超音波などで確認すると肩甲下筋の断裂を疑う所見として上腕二頭筋腱長頭(LHB)の脱臼は大事な所見です。
肩甲下筋損傷がベースにあり、LHBの負担がかかり2次的に損傷が起きたり、逆もまたしかりです。
症状の強い腱板損傷に対しては保存加療にしても、治療内容が大きく変わり、積極的な治療介入を要するので腱板評価は怠らないようにしましょう。