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頚椎症性脊髄症って??
前回の「母指CM関節症」につづいて、整形外科の疾患について今日は書いていきたいと思います。
【頚椎症性脊髄症】とは何か、まずは日本整形外科学会ではどう記載されているのでしょうか。
加齢変化による頚椎症(椎間板の膨隆・骨のとげの形成)の変化によって、頚椎の脊柱管(骨の孔)の中にある脊髄が圧迫されて症状が出ます。日本人は脊柱管の大きさが欧米人に比較して小さく、「脊髄症」の症状が生じやすくなっています。
比較的若年の方であれば、かけ足やケンケンをしにくくなるなどの軽度の症状を自覚できますが、高齢者では気づくのが遅れる場合があります。
頚椎症性脊髄症の症状とは
引用した文章見て症状わかりました??うん、微妙ですよね。噛み砕くと以下の通り。
①腕の症状→細かい作業がしづらくなる
②脚の症状→歩行しづらくなる
③体全体→感覚障害、ひどくなると尿や排便異常
脊髄の圧迫ではいろんな症状がおこってくるんですよね。首はやはり怖いですね。
首、肩こりがあって、痛みが強くて、腕がしびれたりしたと思った矢先にこんな症状がでたら病院で要検査です。
専門的な言い方で症状をまとめると、以下のとおり。
- 上肢:巧緻性障害
- 下肢:歩行障害
- 体幹・四肢:感覚障害
- 症状進行:錐体路障害(腱反射異常及び病的反射)・膀胱直腸障害
めっちゃシンプルに書くとこんな感じです、もう少し疫学について学んでいきましょう!!
- 多いのは男性!50〜60代!!
- 頚椎症が先行、好発部位はC3/4 4/5が多いといわれてる
- 中毒性,代謝性, 栄養障害性,血管性, 圧迫性,外傷性等がある、最も多いのは圧迫!
- 軽症は保存療法、進行すると手術しないと脊髄症状はよくならない
ー病気が見える「整形外科」
細かいこと言ってくときりがないですね。。。
⚠この先吐き気注意
カンファ用に専門的な要素でガイドラインで見てみました
・ミエロパチー症状に病的反射、特にhoffmann兆候は圧迫性脊髄病変の特異度が高い。似た症状ならOPLL、CDHなどもありうると。
10秒テスト、finger escape signを確認しなきゃだめですね。
・腱反射、手指しびれ、感覚障害、筋力低下の場所である程度障害高位がわかる。深部腱反射(DTR)に関しては、障害高位で減弱、障害高位より下では亢進する。C4/5がメインなら上腕二頭筋腱反射、C5/6なら上腕三頭筋腱反射が低下が特異度が高い。感覚障害や筋力はあまり特異的ではないけど、三角筋低下はC3/4高位で特異度が高いという報告はある。
腱反射が障害高位を判断するにはやはり重要ですね。さらに高位ならscapulohumeral reflexなんてのもあったような。
鑑別しなきゃいけない疾患もあったり、治療は保存や手術なども考えると果てしないです。
一応、頚椎症性脊髄症の分類
最後に分類だけ書いておきます。2つの分類!
服部の分類
I~III型の3型に分類されIII型に向かうにつれて保存療法での 改善が難しくなる.
I型:脊髄中心部障害.上肢症状が主体.
II型:I型に後側索部障害が加わる.錐体路症状もみられる.
III型:II型に前側索部 障害が加わる.体幹・下肢の温痛覚障害もみられる.
1:脊髄の横断性麻痩を生じるもの
2:上肢症状が主体のもの
3:運動麻痺が主体のもの
4:一側の運動麻痺および深部感覚の障害と反対側の温痛覚の障害を認めるもの
5:上肢の痛みと脊髄症状を合併するもの
の5型に分類される.
まじで調べまくったこと全て書くとありえない量になるので今日は終わりにします。
治療編はまた後日。。。