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膝関節の痛みは多岐にわたるが
今週も始まりました。
ハイキューは終わってしまったけど、、、、
残念です、
古舘春一さん、本当にお疲れ様でした。
アニメはまだまだやると思うし、楽しみに観させていただきます!!
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学生時代はバレーボールだったり、他のスポーツもやったけど
今やったら絶対怪我するわw
膝の負担がヤバそう。
最近の外来、とにかく膝痛が多い。
コロナの影響で体重増加、筋力低下が相次いでますよね。
だいたい、変形性膝関節症なんですけど
今回は、その中で”膝関節特発性骨壊死”をみかけました。
これはどういったものなのか、まとめていきます。
どんな病気?
膝関節に激痛・水症・可動域制限をきたす高齢者の退行性膝関節疾患である。
60歳以上の、やや痩身で膝アライメントが比較的良好な女性に好発する(男女比1:3)。典型例は膝関節正面X線像で半卵円形の骨透亮像を呈し、大腿骨内側顆の軟骨下直上に特異的に発症する。原因としては骨髄内血行途絶説、軟骨下脆弱性骨折あるいは不全骨折説などがあり、最近では軟骨下骨に原因を求めるものが多い。脛骨内側顆に発生する例もあるが比較的稀である。内反変形と内側半月板変性に伴うことが多いが、両者とも未だ発症機序は不明である。今日の整形外科の治療指針 第7版
原因や病態はいまだ解明されてない部分もありますが、
ステロイドの連用などは指摘されてます。
おなじ骨壊死で大腿骨頭壊死と同様に考えるとアルコールなども関係あるのかもしれません。
ただ、最近のトレンドでもないですけど、
病態としては大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折が近いと考えられてます。
軟骨下に生じた脆弱性骨折の二次的変化で壊死が起こるとされているみたいです。
その他には、内側半月板の後角損傷にてhoop機能の破綻により、
内側コンパートメントにMRIにて骨髄内信号変化出現、からのSONの報告もあるそうです。
病変としては、大腿骨内側顆の他に脛骨内側顆プラトー、外側コンパートメント病変に分けられおり、
SONは一般的には大腿骨内側顆を指し、残りの2つはostenecrosis-like syndromと呼ばれることもあります。
症状は
突然の膝関節内側の激痛(大腿骨内側顆病変)
歩いてたりして急に出るそうです。
人によって、平地歩行は保たれるそうですが、
階段昇降で疼痛増強し障害されると。。
あとは安静時・夜間就眠後に膝痛を自覚するのも特徴的、
軟骨変性が著明となると最終的には変形性膝関節症に移行します。
誘因なく出現することもありますが、多くは軽度の外傷歴があるケースが多いです。
検査とか
検査としては、まずはX線ですね。
図のように、大腿骨内側顆の骨透亮像を認めます。
その他には治療を決める上では立位膝関節アライメントや、
側面像での軟骨下骨の平坦化などを確認します。
しかし、早期ではなかなか病変が認められないケースも多く、
MRIや骨シンチなど撮像するケースもあります。
MRIではT1low,T2highのbone marrow edemaを認めます。
特に気をつけたいのが、半月板切除後でMRIで骨髄内信号変化がある場合。
症状やXpなどの画像検査のフォローは必須です。
治療は
SONの治療ですが、
大事なポイントは以下の通り!
- 壊死の範囲
- 病気の進行度
- 下肢アライメント
壊死の範囲は、横径比や壊死面積を測定できるようにしましょう。
前後像での顆部の横径に対する比率(C/A×100%)と、前後左右像から面積を計算する方法がある(A×Bmm²)。病変の深さ(H)の評価も大切である。運動器スペシャリストのための整形外科保存療法実践マニュアル
病期分類ではAgliettiの分類があります。
・typeⅠ;正常
・typeⅡ;荷重部の平坦化
・typeⅢ;骨透亮像
・typeⅣ;軟骨下骨の陥没
・typeⅤ;二次性OA変化
参考文献によって正確な値は微妙に違いますが、
・横径が1cm以上、または横径比が50%以上
・壊死面積が400〜500mm²以上
・上記の病期でstage4以上 (腰野の分類stage3以上)
・立位膝関節アライメント(FTA)が178〜180°以上
これらは保存療法の限界であり、
骨切りや人工関節といった手術となります。
逆に、1cm未満で軟骨下骨の変化がなければ、
保存療法での自然治癒が期待できます。
内側コンパートメントのSONであれば、
NSAIDsでの投薬、足底板挿入・松葉杖で荷重制限
コンプライアンスがよければ坐骨支持装具での免荷もするケースもあるが、、、
実際としては難しい印象です。
関節内ヒアルロン酸注射(ステロイドは使わない)も併用します。
その他としては骨密度が低ければPTHなども併用してもいいかと。
いかがでしたか。
想像以上に深いですね、、、
膝OAが鑑別になると、やはり鑑別ポイントはしっかり抑えないといけません。
半月板切除後の人などは特にですが、MRIを含めた画像検査の定期フォロー。
リスクを説明しておいたほうが良いですね。
自分も改めて知った部分もあるので今後に診療に生かしていきたいと思います。