上腕骨顆上骨折の神経麻痺について論文見てみた【整形外科】

久しぶりに上腕骨顆上骨折の手術症例

 

今回は、

小児骨折でよくあるけど、あまり診たくないw

そんな骨折の代表、”上腕骨顆上骨折”について。

 

久々な手術症例をだったのですが、

今回はこの骨折に伴なう”神経麻痺”が気になったので、

論文何かないかなーと調べてみました。

 

以前にも上腕骨顆上骨折については記事をあげてますので、

よかったらそちらも参考にしてください。

神経麻痺はどれくらいなんだ?

 

では、今回は神経麻痺について調べてみたのですが

そもそも頻度はどの程度なのでしょうか。

📝参考文献

日本肘関節学会雑誌 26(2)2019 川本ら

 

この論文は、

顆上骨折のGartland typeⅢ、14例に併発した神経麻痺の報告です。

★Gartland分類

https://www.jmedj.co.jp/files/item/books%20PDF/978-4-7849-4615-0.pdf

 

転位を伴なう骨折(typeⅡ・Ⅲ)の98例のうち、

14例発症、全体の14.3%で神経麻痺が起こったとのこと。

 

これは、様々な報告をみてもおおよそこの程度であり、

神経障害の頻度は外傷性損傷で12〜20%とのこと。

 

2割と聞くと正直多いですね。。。。

転位著明なものでは術前麻痺も十分有りえますし、術後発症も怖いです。

 

意外だったのが、

屈曲損傷型の顆上骨折では、尺骨神経麻痺の障害が多い

ということですね。

 

医原性での損傷が多いと思ってましたが。

まあ、そもそも屈曲損傷型はあまり見かけないというのもありますが。

 

基本は伸展型損傷が多く、

これらでは

正中神経、前骨間神経、橈骨神経

が合併損傷で多いです。

 

 

自分の経験した症例は、前骨間神経麻痺でした。

これに関しては術後発症でしたが、保存加療にて改善を認めました。

正中や橈骨神経の術前完全麻痺は術中の神経展開が必要なのかと個人的には思います。

 

 

今回の報告では、

感覚障害のみのものは全例完全回復を認めたのに対して、

運動麻痺を認めたものでは神経部分断裂や陥入を認めた。

とのことで、

運動麻痺を認めるものは初回手術時の神経展開を推奨する。

という考察でした。

 

うーん、完全麻痺の顆上骨折は緊張しますね。

 

まあとにかく、医原性尺骨神経損傷は避けたい

 

手術後麻痺として、

医原性尺骨神経は注意しなくてはなりません。

 

 

内側鋼線刺入による損傷が原因とされており、

様々な工夫、リスク減少を考慮されてます。

 

外側2本という方もいらっしゃるとは思いますが、

回旋不安定性の懸念があり、

・内側小皮切をおこなう方法

・外側からクロスピンニングする Dorgan's technique

・外側より鋼線固定、次に肘頭のす ぐ橈側から中枢骨片掌側にむけて 2本目を挿入し固定する服部法

などが今回紹介されてました。

 

 

自分は先輩からの指導で、

内側刺入の際に肘伸展位で前方よりで刺入すること

で今のところは尺骨神経麻痺は回避できてますが、、

 

今後も発症させないように十分注意したいと思います。




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